祈ることしか出来ない老人
経済大国として、
世界に君臨していた日本の中で、
仕事を失った若者達が、
ありえない餓死の危機に直面している。
生まれてくる赤ちゃんのための、
制度を作る事も、大切であるが、
懸命に真面目に働き、生きてきた若者も、
何より貴重な存在である。
毎日
倒産した会社の数字が、報道される。
働いている人達に、次なる就職先はない。
生活に、困窮するのは必然である。
彼らは、
実家がない、もしくは帰れない人達であり、
家賃が払えず、住居を失い、
水やトイレがある公園や川のそばで、
路頭に迷ってると言う。
「経済的困窮者には、行政の窓口に!」
と、市や県は、発信しているが、
切れた携帯には、届くわけがない。
民間のNPOが、頑張ってはいるが、
追いつかず、自死や行き倒れで、
命を落とす人たちが、後を経たない。
此処は、日本であり、
彼らは、日本人である。
その若さで死ぬ運命ではないのである。
鬼気迫る困窮者は、見ればわかり、
声をかける事はある。
しかし、今は、
「未だかつて、貧しさに陥った事もなく、
働いてきたので、国からの支援も知らず、
助けてもらおうとも、思わない」
と、言う若者達の声も聞く。
姿形は、乱れた様子もないが、
財布の中は、
「後、四円です」と、答える。
胸が張り裂けそうに痛む。
施しでは無い
見下してるわけではない
日本人として、当然の権利
「貴方のせいではないですよ!」
と、訴えたい。
我が子もよその子も、
等しく大切である。
生き抜いて欲しい!
助かる命を、無駄にせず、
この時代を共に、支え合って生きたい。
凍えるような寒さの中で、
震える心を抱きしめて、
祈ることしかできない老人は、
私だけではないはずである。