結婚生活50年を過ぎると、
ほとんどの夫婦は、
人類愛に変わるらしい。
その年代の奥様方が集まると、
「よう、そんだけ言えるね」
と、感心するほど、旦那の悪口。
悪口と言えど、
悪態には聞こえず、さすが50年のキャリア。
本人のいない、欠席裁判で、気の毒ではある。
確かに、
会社を定年退職した男性は、
「さあ、好きな事するぞ!」
「自由な時間を満喫するぞ!」
と、夢を馳せるが、現実は甘く無い。
高度成長期の「企業戦士」として、
若い頃に身体を酷使したせいか、
退職後は、身体はボロボロになり、
男性の方が、弱ったり、病気になる。
家事は出来ない、
お金はかかるし、手もかかる、
「粗大ゴミ」と、邪魔者扱い。
「俺の人生何やったんや!」と、
嘆くしか無い。
夫婦健在の奥様方に、
独居老人の私としては、
「今からでも、遅くはない、
自由を取り戻すために、離婚したら?」
と、慰めのつもりで、問いかけた。
今更、そんなん!
それほど、悪い人でも無いし!
顔見たら、文句が出て、後で反省!
と、旦那様をかばい出す。
シングル者には、
「よう、わからん?」心理である。
どうあれ、
一生添い遂げる夫婦には、
勲章を、差し上げたいほどである。