「起きて半畳、寝て一畳、天下とっても二合半」

主婦としては、

「失格」ではあるが、

自分自身も働いて来たので、

家計費には、無頓着であった。

 

「あるときー」

「ないときー」方式で、

お金持ちになったり、

貧乏になったりで、

風の吹くままの、呑気な母さん。

 

しかし、

暮らしの要でもあった主人も、

後のことは、十分な年金暮らし?に

「家族を託して」天国へ。

 

若い頃、

少ない給与から、「どんだけとんのん?」

というほどの、老後の社会保証も、

「想定外の時代」になって、

老婆一人が、優雅に暮らせる、

年金額ではないのである。

 

大きな家の、有り余る無駄な光熱費、

身体一つに、売るほどの衣類のゴミ、

親の時代からの、骨董家具、

なんの未練もなく、

第二の人生のスタートを切る。

 

「起きて半畳、寝て一畳、

天下とっても、二合半」という、

言葉がある様に、

人間一人のスペースは、こんなもん、

天下取っても、

お米二合半以上は、食べれません

 

分相応にと、行動して、

独居老人の自由な暮らしも、

歳を重ねて行くうちに、

「お金」は、増えず、

「不自由」は、増えてゆく。

 

まもなく、

「社会から」は、見放され、

「先祖の列」に、並ぶ前に、

「終の住処を、見付けにゃならん!」

 

独居老人の悲哀は、

孤独死、ゴミ屋敷、家賃滞納」

よって、

民間住居には、

お金があっても、入居は不可能、

入れる場所は、市営、県営、府営、

シルバーハウスか、高齢者施設のみ。

 

歳を重ねて、

静かで、穏やかな老後など、

どこにもなくて、

「嘘っぱち!」の、しんどい暮らし、

 

おかげさまで、

「ボケてる暇」なく、

頭を使い、身体を動かし、

最期の一呼吸まで、

大忙しも、悪るーはないかも。