「人生の幕引き」の教育

「最近、頻尿で悩んでいる」

と、聞いていたが、

まもなく、

その事が原因か否かは定かでないが、

台風で荒れ狂う川で、

自死された事」を、知った。

 

人間という生命体は、

長い年月を経て、

少しずつ、弱り、壊れてゆく、

若い頃、

オリンピックに出るほどの、

スポーツマンも、

いつの日か、肉体に不都合は起こる、

 

「薬」で治療できるもの、

「リハビリ」で、少しは維持できるもの、

肉体を元には戻せないが、

進行を遅くできる場合もある、

この様な、現象が、

「老い」であり、「老化」である。

 

昔、

見えていたものが、見えにくくなり、

聞こえていたものが、聞こえにくくなり、

出来ていた事が、出来なくなる、

 

「階段を一段ずつ降りる様」に、

人間の肉体は、徐々に、壊れてゆく、

人によって、

老いを感じる歳は、まちまちだが、

気付き出すと、あっという間である。

 

こんな所に、

「シミが?シワが?」目につきだし、

「足腰」が、痛みだし、

横になると、いつのまにか眠っている。

その日の疲れが取れず、

次の日も、また、次の日も、

「しんどい!」のである。

 

自分自身が、

「年老いた事」を、受け入れるのは、

容易ではない。

あんなに元気だった私が、

あんなに、綺麗だった私が、

崩れていく自分を、否定する。

 

そんな自分が情けなく、

どうにも出来ない事に、悲観して、

自らの命を断つ人もいる。

若い人達の自死も増えているが、

高齢者の人達の自死も、

取り上げることは少ないが、

後を経たないのである。

 

「人は必ず死ぬ」

長い歴史上、

死ななかった人はいない。

自分の人生の幕引きの

「教育」が、

残念ながら、日本にはないのである。