小さな窓から見えて来る

手のひらサイズの小さな窓が、

一つあれば、大きな空が見えてくる。

 

深い夜に、輝く星も月も、

貴方に降り注ぐ。

だから、悲しまないでほしい。

 

白いコップに、

クリスマスローズ」を生けたら、

花言葉は、

「私を、忘れないで」

と、囁いてくれる。

 

チラシの裏に、

煙突屋根の、お家を描き、

白い煙を、付け足せば、

なんだか、心が、あったかい。

 

母が遺した、薄紫のストールが、

冷たい冬の、膝掛けがわり、

母の香りを、思い出す。

 

隣の坊やの、

「行ってきまーす!」

と、元気な声が、聞こえる朝、

「行ってらっしゃーい!」

と、心で見送る。

 

熱いポットから、ポタポタ注いで、

「点てた珈琲」が、至福の時間。

 

誰にも気づかれないほどの、

ささやかな暮らしの中にも、

小さな窓から、

爽やかな風が、通り抜けていく。

 

知らない誰かと、

同じ時間、同じ思いで、同じように、

共時性」を分かち合えば、

一人ぼっちでは無いかもしれない。