震える子供を、抱きしめて

もう一人の私は眠っているが、

目覚めている私が、

朝を感じている。

 

ベットにしがみついている私を、

呼び起こすが、

微動だにしない。

 

鶏がなく前に、

起きていたあの頃は、

肉体が動くと

同時に、サラサラと血が流れ出す。

 

糸でからめて、

引っ張られる様に、身体を起こし、

頭の位置を、確かめる。

ロボットの様に、スイッチ一つで、

稼働はしない。

 

テレビからは、

生々しい映像が、送られてくる。

「速報!侵略が停戦になりました!」

 

そんな奇跡と、歓喜を、

待ちわびて、

金縛りの様な朝が、続いている。

 

桜咲く季節に、誘われて、

一対になった

「美しい花見と、かわいいお団子」

人々の週末は、癒される。

 

地下深く、

震える子供を、抱きしめて、

恐怖と闘う母親の気持ちは、

どの国の母親も、同じである。

 

一度は、

「貴方も、抱きしめられた」

事を、忘れた?

「貴方も、子供達を抱きしめた」

暖かな温もりを、忘れた?

 

そんな人達が、

子供の命を、

その手で、奪うならば、

貴方の心は、奪われる事になる。