懐かしい夏が、蘇る

朝から、

同じことを繰り返す、

騒々しいテレビの音を、消している。

 

一日中、

付けっ放しのエアコンの音が、

静かな部屋で、舞っている。

 

瞳を閉じれば、

タイムスリップした、

懐かしい、夏が蘇る。

 

灼熱の太陽に、真っ白の入道雲が、

吹く風に、

螺旋を描いた青い空。

 

早く過ぎてと、願いながらも、

抜ける様な明るさに、

ワクワク、ドキドキの、

あの頃の私と、出会ってる。

 

窓を開ければ、

待ち構えていた夏の暑さが、

冷えきった身体の中を、

凍りついた心の中を、

流れていく。

 

一杯の、温かなコーヒーが、

少し汗ばむ、時間を元返す、

今日も、一日、

「うんざりする夏」を、味わうけれど、

 

どんな季節になっても、

嫌いにはならない、

「思い出の夏」が、存在している。