「幸せ」の、おこぼれ

知人との約束も、

流れてしまうほどの、

朝からの、大雨。

 

窓から、

空を見上げては、思案のしどころ。

 

キャンセルのメールをしたら、

「雨が怖くて、婆さんやってないわ!」

と、元気な返事。

 

後期高齢者に、

突入したにも、関わらず、

小さな、

「PC教室」の、先生である。

 

幼い頃から、

人の倍ほどの、

不幸を背負った人生なのに、

いつも、笑顔で明るい女性である。

 

「天涯孤独」を、

自慢できるほど、

周りの他人に、助けられて、

生きてきたと言う。

 

「困る」前から、

お金の事、身体の事、

ファンクラブが、付いている。

 

「頼む」前から、

あちこちから、救いの手が、

我先にと、伸びてくる。

 

小さい頃から、

私とは

正反対の環境と性格で、

人を、羨まず、

人を、恨まず、

優しい性格の、不思議な女の子。

 

付かず離れず、

70数年の付き合いで、

表面上は、幸せに見えていた私、

表面上は、不幸せに決まってた彼女。

 

出会うたびに、

「幸せ」を、

いっぱい背負って、キラキラ輝く、

彼女の姿に、

「人生の答え」が、見えてくる。

 

今日も、又、

二人で、思い切り笑って、

「幸せ」のおこぼれを、

私は、貰うことに、なるだろう。