彼女の背中に「天使の羽」を見た

いつもながら、

「両手いっぱい」お土産下げて、

彼女はやって来る。

 

「独居老人」の、

不自由さと、寂しさを、

充分、理解しての

「優しさ」である。

 

この気配りは、

「只者ではない」

若い頃は、

「大手」の旅行会社の、「添乗員」

 

「好奇心」と「元気さ」だけでは、

務まらない

「目配り」「気配り」、

 

「なるほど!」

と、思わせるほどの、

心遣いは、プロ並みである。

 

鍛え抜かれた、

「他者との関わり」を武器に、

次なる職種は、「老人介護」

 

昔取った杵柄で、

「人の世話」「人の道案内」は、

朝飯前。

 

「大手」の、福祉施設で、

過酷な現場で、多くを学び、

晴れて、「有資格者」となり、

業界的には、

「どこでもドア」の、経験者。

 

まだまだ続く、

長い旅の、「着地点」

働くママ達のための、

学童保育」の教師になった。

 

一度も使わなかった、

持っていた「教員免許」

60歳を超えて、

若い頃の思いが、成就した。

 

「異次元の少子化対策」が、

追い風になって、

「働くママ達」の支援者に、

 

「若い人や、子供達」の、

未来に、繋げる為の、

なくてはならない「貴重なお仕事」

 

楽しい「おしゃべりの時間」が、

あっという間に、過ぎて、

帰って行く、彼女の背中に、

「天使の羽」をみたのは、

私の錯覚?

 

いつの日か、

あの羽で、

「次なるステージに」、

再び、飛び立って行く姿が、

微笑ましくも、逞しい。