「整形外科」は、大流行り

昔は、

街の、あちこちに、

「骨つぎ」、「あんま」などの、

看板を、よく見かけた。

 

近年、

整形外科的な、医療が、

進歩して、

「化学的な治療」に、変わっていった。

 

少子高齢化の、日本では、

産婦人科や、小児科が、

激減して、

「整形外科」は、大流行りである。

 

やはり、お医者さんとて、

開業するなら、

「流行る医院」で、ありたい。

 

年老いて、

誰にでも来る、

骨やら、筋肉の不調。

「膏薬」「飲み薬」では、

どうにもならず、

整形専門の医院に、駆け込む。

 

レントゲンやら、

MRIやら、CTで、

内部が、鮮明に映し出されて、

ボロボロに、変形した、

「哀れな我が姿」に、愕然とする。

 

外からは見えず、

「お元気そうで、何より」と、

言われても、

答えようが無い。

 

骨折したなら、

痛みに耐えかねて、

「早く、やって!」と、

叫ぶだろうが、

 

使い物にならない骨を、

「ちょんぎって」

玩具みたいな、人工骨頭に、

入れ替える、

「人工骨頭置換手術」

 

順番待ちの、高齢者

「修理工場」のベルトコンベアに、

乗っかって、

「新しい部品」に、組み立てられる。

 

「寿命」がのびても、

灰になる前に、

自分の骨が、消えて、

ロボットみたいに、なってゆく。

 

寂しくもあり、

深く、悲しい

「骨つぎ」「あんま」の、

時代が、懐かしくもある。