病院の、「デイルーム」で、
車椅子の白髪のお婆さんに、
声をかけられた。
「奥さん手術いつでしたの?」
「はい、2日前に」
歩行器で、なんの違和感もなく、
「すっく」と、立って歩く姿に、
驚ろかれていた。
人類は、
「立って歩いて来た」歴史がある、
なんの不思議はないのだが、
古くて、故障した脚は、
もう、使えないと思い込んで来た。
全くもって、
「純正のもの」ではないが
優れたスペックと、
壊れたパーツを、入れ替えれば、
また、
「地球の大地」に、足底部をつけて、
ペタペタと、歩いて行ける。
人類の始祖は、
そこから始まったのである。
今日、
深い森の中の、
異次元の病院から、脱出する。
もう、
二度と戻らぬ為に、
名前も、地図も消去して、
「感謝」と、「さようなら」を、
言葉に添えて、
新たに、映し出された、
私の右脚の画像には、
「天使」が、
羽をしまって、佇んでいる姿が、
浮かび上がっている。
もう一度、
「大地」を、踏み締めて、歩く為に、
「未来」を、見据える為に、
「AI」が、組み立ててくれた、
リスタート、リセット、リボーンが、
始まるのである。