「優しい人」が二人三脚の様に、側にいる

「出遅れたランナー」

振り返っても、誰もいない、

寂しさがある。

 

しかし、自分の力量を、

「遥かに超えたランナー達」が、

追いつかないほど、

前を走っている。

 

たしか、

「ダントツ!1番だったはず」

悠々と、風を切って、

景色を見る余裕さえあったはず、

 

いまでは、誰もいない、

「ドンケツ!」で、青色吐息、

少女達の、黄色い声が、

背中を押して、

ゴールのテープが、吹く風に揺れている。

 

「何故?どうして?なんでやのん?」

と、みんなが走り去った道を、

足を引き摺りながら、走ってる。

私の、「マラソン人生」

 

いつの間にか、

「人間関係」を、失い、

「財産」を、失い、

「家族」を、失い、

「人を思う心」までも、失い、

 

「人の道を外れていた事」を、

思い出す。

聞こえてくる、応援歌、

「頑張れー!」

「まだ行けるよー」

「ゴールまで走り抜けー」

 

「見も知らぬ人」が、

一人ぼっちで走る私の心を、

支えてくれてる。

名前も知らない、誰かも知らない、

「優しい人」が、

心の二人三脚の様に、側にいる。