第一話「アニメの神様」

チーコは、

「〇〇教」の教祖であるが、

表向きのビジネスは、

「パソコン教室」の先生である。

 

オーバーだが、

ファンはごまんといる

とにかく、

「優しい」

いつも笑顔が絶えないのである。

 

誰と、どこであっても、

笑いながら、「手を振って走ってくる」

その姿は、

70代とは思えないほど、可愛い。

 

特に男性ファンには、

揺るぎない信頼があり、

一度、教室に習いにくると、

パソコンなど、使わないのに、

通い続けるほど、魅了される。

 

不思議と、女性からも慕われ、

教室に来る時には、

必ず、

お手元を買って、持ってくる。

 

ちーこは、

丁寧に、お礼を言って、

目の前で、嬉しそうに開ける

 

「可愛い」おひがし、

「得体のわからぬ」和菓子、

「豪華な」デコレーションケーキ

その場で、

躊躇なく、食べる!のである。

 

お皿にも入れずに、パックンチョー

「はしたない」とこが、良いらしい。

そこらじゅうに、

きなこが飛びちって、

ゲラゲラ笑いながら、食べる姿に、

皆んなが、憧れるのである。

 

何をしても、

何をいっても、

「あわてんぼで、おっちょこちょい」

は、天下一品

 

友人の娘さんの、

結婚式に呼ばれれば、

よその式で涙を流し、

食事になって、

自分の名前がない事に、気づく有様。

 

言い出したら、

キリがないほどの、恥、恥、恥

そのひとこそが、

アニメの神様と言われるほどの、

「教祖」である。

そして、私はチーコの

秘書のユーコである。

 

「チーコとユーコ」

二人のアニメみたいな物語が、

今から始まるのである。