第十七話「月と星と空飛ぶ猫」が、のぞいてる。

朝なのか、夜なのか、

ぐっすり眠って、目覚めると、

昨日が、今日に変わってる。

 

昨日までは、

生きた事は、確かである。

 

窓の外は真っ暗で、

闇で蠢く奴らは、

まだ、外にいる。

餌をもらおうと待ってる猫は、

未だ、姿を現さない、

 

「高層マンションのてっぺんに、

一度くらい、住んでみたら?」と、

チーコ先生に、軽く、勧めたら、

本当に、

14階の物件が、当たったのである。

 

さすが、神がかり、

「天空の中」で、

月や星と絡み合いながら、

夜を過ごして、

下から出てくる太陽を眺めながら、

「朝が来たー!」となる。

 

背景は、

神秘的であり、美しい。

「教祖のイメージは、

ますます映えて、

現実離れした、アニメの舞台に展開する

 

皆、

困った困ったと言いながら、

何が起こって、何をどうしたいのかは、

わからんままに、

人間の中にある、

「依存性」が、強くなる。

 

男女とも、

憧れの存在のチーコ先生に、

プロポーズした人は、無きにしも非ず。

それでも、

「死ぬまで一人」は、

崩す事なく、80歳を越えて行く。

 

人に対して、

笑顔と優しさの継続の裏には、

人間が、二人になった時に、

起こってくる、

「喜怒哀楽」を、知っている。

 

そんなチーコ先生の、

唯一の失敗は、

大好きなにゃんこが、

さすが、

14階まで上がっては来れない事を

すっかり忘れていたのである。

 

臭い飯食ってきた、あの猫達なら、

天使見たいな、チーコ先生をめざして、

非常階段つたってでも、

登ってくる。

窓硝子の向こうに、

「月と星と空飛ぶ猫」がのぞいてる。