「人の力や物の力」の助けを借りて

「歳をとってから」

冷たい、雨が降る中を、

スーパーマーケットの前で、

開店を待つのは、

何だか侘しくなる。

 

並びにある、

フォーストフードの店で、

温かいコーヒーをのんで待てば、

こんなにも、

身体は冷えはしなかったけど。

 

若い頃からせっかちで、

そんな

「流暢な性格」ではない。

仕事も遊びも、単独で動くので

海外に行く時でも

ラウンジで、お茶も飲まずに、

飛行機に、飛び乗っていた。

 

乗ってしまえば、

現地までは、心も身体も、

一緒に、

「積み込んだストレス」までも、

フライトの時間の中で、

解放されていく。

 

昔から、

単独行動が、多く、

親が知らないだけで、

何度も、

危険スレスレの目にはあってきた。

 

大きな怪我もなく、大病もなく、

生きては来たが、

世の中そんなに甘くはないことは、

最近、知る事となった。

 

「女だてら」に、

無理や無茶を、してきたからか、

60歳を越えた頃から、

あちこち不自由になり、

「人の力や物の力」の、

助けを借りての、暮らしになった。

 

何でも、一人でできて、

人の倍ほど、働いて、

「頑張ってきた!」と、

豪語してきた人間の、成れの果ては、

 

「お願いしまーす」

「ありがと!ありがと!」

「すみませーん!」

今は、

人に助けてもらうたびに、

お礼の、言葉が出る。

 

若い頃から、

こんな言葉が出ていたら、

人間として、

成長していたかも、しれないのである。