凛と、佇む「一本桜」

「春よ来い、早く来い」

待ちくだびれたけど、

やっと来た、明るい「春」

 

必ず来るとは信じていたけど、

4月とは思えぬ、

「ど拍子の寒さ」に、半信半疑。

 

いつの年か忘れたけれど、

「花一輪も🌸ない」、枯れ木の下で、

花ならぬ、花より団子の、

屋台が並んだ、桜祭りがあったっけ!

自然は気まぐれ、

人間の思うようには、いかないのである。

 

それでも、

決して、裏切らず、

「春の風」が、桜前線を満開にした。

あの寒さの中で、

蕾すら見せなかった樹木に、

溢れんばかりの桜が、咲き誇る。

 

花の命は短くて、

「今日」、満開、

「今日」で、終わりの儚い命、

街の桜より、

「山桜を観にいこう!」と、

北へと、向かう。

 

予想通りの、

絵画のような桜並木の、「絶賛の風景」

まんまるおにぎり、ほうばりながら、

お酒ならぬ、

ペットボトルのお茶を、ぐい呑み

 

昔のように、

満開の桜の下を、陣取って、

ワイワイ、ガヤガヤ食べたり飲んだりは、

自粛傾向、

「焼肉の匂い」は、

花見には、不釣り合いである。

 

遠くで見ても、真下で見ても、

どちらになっても、

美しい、日本の桜、

 

終わりのない、

川辺に沿った桜並木を、

いつまでも、走り続けたら、

見知らぬ村の、ど真ん中、

 

山に、うっすら白い雪が、

残るほどに、冷たい風の中に、

凛と、たたずむ「一本桜」

神がかった山桜が、

「小さな村」を、守るように咲いていた。