「誰が私を愛していたか」を、知らない

頭は、ボケて、

耳は遠く、

目は掠れ、

手足はギクシャク、

胃腸は、動かず、

心臓は、どっこいしょ!

 

「歳を重ねてゆく」と、

決まった様に、

皆同じ、症状が出る。

一人が不具合を、言うと、

私も私もと、右へ倣えである、

 

「性格と思考」だけは、

何故か、ますます頑なに成り、

時々、

「10代の頃」と、変わらない感覚に、

ビックリする。

 

だから、婆さんになっても、

70代、80代、

女三人よれば、少女の様に、

「姦しい」のである。

 

物食べながら、

喋りながら、

麻雀してる姿など、

「介護度ついた老人」とは、

思えぬほどの、はつらつさ!

 

「高齢者、お年寄り、ご老人」

と、呼ばれても、

年齢では分別できぬほど、

人、それぞれである。

 

若い頃、

人が止めても、止まらなかった私は、

今では、

「動いたら?なにかしたら?」と、

言われるほど、岩の様に動かない。

 

だんだん、衰えてゆく肉体に、

世の中の摂理と、

法則を感じながら、

ここまでこないと、

こんな身体にならないと、

「見えてこなかった真理」が、

面白いほど、見え出すのである。

 

「フェイクとファクト」が、

色をつけて、浮かんでる。

「人の心」は、知らない方が、

「物事の摂理」は、知らない方が、

「誰が私を愛していたか」を、知らない方が、

幸せだったかもしれないのである。