いつか、出会えれば

約束もしていないのに、必ず、決まった時間にやって来る。
承諾もしていないのに、ストーカーのように、
そばに来る。
言葉も発せず、手も出さず、私の神経に触れて来る。
不快感と倦怠感と不安と恐怖を、盛り合わせてのプレゼント攻撃してくる。
何が原因で、正体もわからなかった時には、かなり戸惑い、狼狽えてはいたが、分かったからには迷いもなく、受け入れることにした。
認知症でもなく、精神病でもなく、うつ病でもない。
「慢性疲労症」と判断したのである。
全ての病気の源であり、時間をかけて、ゆっくりと細胞分裂しながら進化してゆく。
時々、姿を現しながら、私の中に免疫を作り、
増殖してゆく。
習慣的に日常生活の中で、慢性化すれば自他共に認められ、取り付いた人間の肉体を安住の場所として征服してゆく、厄介な病気である。
異物ができた、内臓が低下したは、薬もあれば手術で取り除くことができる。
内的な精神からくる病気を完治さすには、時間もお金もかかる。
自分が作り上げた架空の細胞が、自分を敵と見間違え、攻撃し破壊してゆく。
誰にも手は打てず、自分自身で絶望の穴から這い上がってくるしかない。
多くの心身症の人達の苦しみを、受け止めて支援し続けてきた。
薬や休養は、一過性の治療法であり、根治治療ではない。
脳で知識を習得し、幸せを感じる機能を心が取り戻せば、そして、誰かが側で見守る人がいてくれれば、必ず治る病気である。
生きてさえいれば、そんな人と出会えるかも知れない。