「かつて、経験したことの無い台風」
と、メディアが、報道し続けている。
経験がないので、
想像はできないし、
「自分の命は、自分で」
と、言われても、
頑丈な家でもなく、
足が不自由で、避難場所には行けず、
老婆が一人、
「祈るしかない」
危機意識を持ち、
危険を避けて、70数年、
終戦直後の、ギリギリ高齢者。
瞬き、一瞬で、
自由なる国に、変容し、
急速なスピードで、
アメリカンナイズされた環境の中を、
生きてきた、
「恵まれた高齢者」で、ある。
悲惨な戦争を経験し、
焼け野原の荒野から、立ち上がり、
死に物狂いで、
日本を、経済大国にのし上げた、
先人達とは、ちと違う。
強い親達に、守られ、
物心ついた頃には、
「豊かな、日本」に、なっていた。
一番の、
「平和ボケ」と「甘ちゃん」は、
私達の年代で、あったかも知れない。
なんとかなるさ、
「ケセラセラ」で、きた人間が、
かつて、経験をしなかった、
「未曾有の時代」の中で、
「命の危機」を回避する術がない。
若者達の様に、
瞬時な見極めもなく、
走り抜く事も、出来ず、
「祈る」だけでは、助からない現実を、
今、深く、経験しているのである。