精神に、触らないで

彼女専用の社内の冷蔵庫に、数十本の炭酸水、

(お酒を割るただのウィルキンソン

冷凍室には、カリカリのキャンディーが

何十本も入っていたという。

 

「間違い無いなー、もう彼女には、

触らないで下さい」

と、友人には伝えたのである。

 

上司の管理者の不思議な行動は、

入社して直ぐに、始まり出した。

以前の部下の悪口を並べ立て、

仕事を何もせず、やめていった事。

その子の行動も止められないアホの上司と、

いいかげんな会社であると叫び続ける。

 

「こんな会社、私はやめたいんよ!

もう直ぐやめるから、貴方あとお願いね」

毎朝毎朝、繰り返される怒りと愚痴。

否定をするとヒステリーの様になり、

しばらくすると、別人の様におとなしい。

 

「安定剤でも飲んでるんじゃない?

薬が効いてる時は、気持ちが亢進して、

活動的になるから・・・」

と、アドバイスをしながらも、

ちょっとやばいかなと、思い始めていた。

 

ある事ない事、フェイクを繰り返して、

周辺の人達に、泣きついて、とうとう、

友人を加害者に陥れたらしい。

 

ある日、湿気の多い蒸し暑い日に、

いつもは長袖の上着を着ていたが、

「暑ー!」と言って、Tシャツになった時、

思わず、その身体にびっくりしたと言う。

 

Tシャツの開いた胸元からは、

洗濯板の様な肋骨が、盛り上がり、

二の腕は、自分がお昼に食べようとしていた、

バナナより細かったと言う。

 

炭酸水とキャンディーは、彼女を癒せる、

唯一の食べ物であり、依存である。

拒食症かも知れない。

何か原因はあるだろうけれど、

専門のドクター以外は、助けられない。

 

だから、「精神に、触ったらあかんよ」

と、友人にはそう伝えたのである。

素人の感情論だけでは、解決はつかない。

社会の中には、精神を病んで、

もがいている人はたくさん隠れている。