貴方が忘れても、私は忘れない。
縁あって、厚生省関連の教育に携わった。
高校生から、大学生、一般の若者たち。
言葉の通じない若者と、どう繋げるのか、
私の方が不安でいっぱいであった。
「教えてあげよう!」なんて、
大それた考えはない。
出来れば聞いて欲しいの、
私の話は、いつか未来、
貴方の目の前で、同じ場面に出会うから。
その時に、思い出してほしい。
今、話している事が、役に立つかも知れない。
型破りな授業だったから、
実技の時には、笑い声が聞こえ、
座学の時には、聞いた事もないような話を、
目をキラキラと輝かせて、聴いていた。
「先生の授業の時は、保健室には、
誰も行かないんですよ。」
と、他の教師から聞いた時は、
ちょっと、嬉しかったけど。
保健室にいても、家にいても、いいと思う。
宇宙時間で考えれば、大した事はない。
私との共有時間は、確かにあったし、
出会えたので、嬉しい。
知識は学校だけで、学ぶものではない。
いろんな場所で、いろんな人から、
学んでいける。
今でも、貴方達の笑い顔より、
涙する顔を、私は忘れてはいない。