家が狭くても、
押入れの中でもいいから、
自分の居場所を作るべきだと思う。
夫婦は、
いつもいつも仲良しではない。
一番、沢山喧嘩する相手かも知れない。
どこかの馬の骨同士が、
勘違いして、一緒になったり、
目的は、他にあって、
心此処にあらずで一緒になったり、
ビビッと来て、早とちりで一緒になったり、
様々である。
出会いはどうであれ、
死ぬまで、添い遂げる夫婦もあれば、
三ヶ月で、「こりゃダメだ」と、
さっさと、別れる夫婦もある。
結婚という紙ものがあるかないかだけで、
同棲も、内容に変わりはない。
ベタベタとしている日もあれば、
一日中、口をきかない日もある。
成熟した大人同士なら、
落とし所は心得ているだろうが、
まだまだ未熟。
そんな時に、
逃げ場所、隠れ場所があれば、
心静かに、頭は冷やせるのである。
よくよく、考えれば、
原因は大したことではない。
怒りのスイッチが入ったら、
治らないだけである。
夫婦の勝負のルールは、
テリトリーの中で、しなければならない。
家庭以外の何処かに、
逃げ道をつくってしまえば、
いつの日か、本当の別れになる。
小さな箱の中で、
二人が関わり、積み上げてゆく軌跡。
一箇所だけは、決して外れない鍵を持ち、
夫婦を作り上げていかねばならない。
私には、
その覚悟がなかったばかりに、
出来損ないの夫婦で終わったのである。
この歳になると、
「そんなん、理想の夫婦なんていないわ!」
と、皆、口を揃えていう。
それでも、天変地異が来れば、
何故か夫婦は、「あうんの呼吸」。
家族、一族、守りに入る。
これが、決して外れない鍵かもしれない。
近い将来、
「結婚しませんか!」
ではなく、
「暮らしをシェアしませんか?」
が、口説き文句になる社会が来るかも。