もう少しだけ、「生きていて」

暴風雪の向こうに、

暗い春が、立っている。

冷たい地面で、震えてる。

 

時間は継続であり、

継続は変化であるならば、

「必ず来る春」も、忘れてしまう。

 

「限りある生命」

憂鬱と優しさと絶望が、

混在した中で、

誰にもばれずに、生きていくのは、

至難の業、

 

「未完成な人生」を、

置き去りにして、

剥き出しの魂のままでは辛い。

 

「永遠に生きる」など、

まっぴらごめんと、思ってるけど、

池の氷は、

バリバリと、音を立てて溶け出して、

海の水は、

マグマの爆発で、うねっている。

 

誰かが、

待っているわけではないけれど、

誘われたその場所に、

誰かが、

いるわけでもなく、姿も見えない。

 

愛する人」が、

先に逝っても、残っても、

緞帳は降りてくる。

 

「誰一人知らない世界」に、

今よりも、

もっと寂しい「虚空の世界」に、

急ぐ事はない、

 

息を呑むほどに美しい大地を、

見つけるまでは、

もう少しだけ、

「生きていて」

地球は、

貴方を愛しているから。