振り返れば、
随分、遠くまで、
来た様な、感覚がある。
目の前の道が、
明るい未来に、繋がっているかは、
今も、不安であり、定かではない。
それでも、
変わらず、静かに呼吸する、
生きし者に取っては、
残された道を、歩んでいくしかない。
削ぎ落とされて来た、
贅沢や、我欲、
身軽になって来た事に、安堵する。
自分に、
重圧をかけていたもの、
負荷をかけていたもの、
致し方のない現実の中で、
見えてきた。
大切だと、
抱え込んでいたものが、
壮絶な時代の中に、溶けてゆく。
消えては生み出されていく、
波の様に、
枯渇しない心が、永遠に続く。
生きている限り、
人間に、与えられている、
唯一の、時間と意識、
この地球の生命体として、
生まれた事を、
真摯に、受け止めている。