「おいといない人」は、逆差別用語

「おいといない人」

と言う言葉は、

関西弁の様である。

 

若い人達は、

知らないだろうが、

婆様達が、集まると、

良く使う言葉である。

 

つまりは、

お金には困ってない、

家族関係も、悩んでない、

苦労知らずの、心配は要らん人である。

 

要は、

嫌がったり、ためらったりせず、

なんでも、大丈夫な人、

他人の

「勝手な推測」の様な気もするし、

「妬み、僻み」の様にも、感じる。

 

年を経て、

「おいといなかった人達」が、

最近になって、

婆様達の、噂話の中で、

「おいといある人」に、変わってきた。

 

確かに、

生まれた時から、死ぬまで、

一生の中で、困ったことなど、

「これっぽっちも無い」

人などいない。

 

「病気で、入院されたらしい」

「会社が倒産したらしい」

認知症に、なったらしい」

「家族に、施設に入れられたらしい」

果ては、

「一人暮らしで、

お風呂で亡くなってたみたい!」

 

えげつない話に、

変わってしまっている。

何もかも、揃っていた、

羨望の眼差しの、

「おいといない人」も、

一瞬で、気の毒な人になる。

 

「他人の不幸は、蜜の味」

と言う、テレビドラマがあったが、

人間の心理の中に、

「嫉妬心」や、「競争心」は、

誰にでも、ある。

 

だから、

「おいといない人」は、

裏返せば

差別用語かも知れない。