生前、父は、
「介護保険」に、
怒ってた。
訪問介護で、他人がきたり、
老人施設に、入れられる、
原因は、
「介護保険」が出来たからと、
勝手な理屈で、怒ってた。
「親は子供が見るもの!」
「最期は、畳の上で!」
大正生まれの石頭も、
時代の流れに、逆らえず、
病院に、入ったけれど、
点滴抜去で、ミトンをはめられ、
ベットから、落下防止の、
檻の柵が、降りて来た。
生まれた時から、
家系の長子として、大切にされ、
経済戦争にも、勝ち抜いて、
何の、「おいといない人生」
我が人生、失敗は、
「子供だけ!」
なんて、言葉まで吐いていたけど、
父の最期は、哀れだった。
人生、全て、
「自分の思い通り」
なんて、あり得ない世界である。
「喜怒哀楽」
「生老病死」が、
セットになった、人生を、
与えられて、生きてゆく。
あるがままに、
なすがままに、
吹く風に、逆らわず、
調和しながら、生きてる人が、
羨ましい。
突風に、向き合い、
世の中に、抗い、
独りよがりで、頑張っても、
最後の居場所は、
「みーんな、一緒」である。