「所詮、物」「されど、物」

雨で潤んだ、

「湿った朝」

呼吸がしやすく、心も、落ち着く、

 

久しぶりの、整理整頓、

さっきまで、

「私の物」が、ゴミと化す。

 

手に入れた時の、

喜びも、すっかり忘れて、

「いる、いらない」を、

瞬時に、分別してゆく、

 

我ながら、

「人間の冷酷さ」に、呆れながらも、

心に、

覚悟と、決断が湧いてくる。

 

このゴミも、

「過去の私」「未来の私」

生きてゆく為に、手放すのか、

死んでゆく為に、捨てるのか、

天秤みたいに、揺れている。

 

物は、

「傷んだ心」の、身代わり

「想い出」の、エピソード記憶

黒い、ゴミ袋の中に、

消えてゆく。

 

ゴミ屋敷と、

化した、家の中もあるけれど、

他人から見れば「ゴミ」だけど、

本人からすれば「自分の心」

かも知れない。

 

「所詮、物」

「されど、物」

癒されたり、

慰められたり、

犠牲になったり、

優しくなったり、したもんね。

 

迷走しながら、

物の、片付けではなく

心に、型をつけてる、

自分が、いるのかも知れない。