「開かない扉」の前で、

「開かない扉」の前で、

待ち続けている、少女がいる。

もはや時間はなく、

出直すわけにはいかず、

待っている。

 

行き交う人が、

気の毒そうに、通り過ぎる、

「待っても無理!その扉は開かないよ」と、

親切に教えてくれる。

 

みんなが、知っている、

「あの人の心」が、閉じれば、

二度と、開かない事を、

軽く、口から出てしまった言葉に、

背を向けて、耳を塞いで泣いている。

 

「言った方も、言われた方」も、

こうなる事を知っている。

言ってはいけない言葉を

あえて、吐き、

「決裂」を、望んでいたかもしれない。

 

「大好きな人」が、

投げてくる、

ボールは、払いたくはない。

貴方の中の、

「意地悪な心模様がわかるから」

 

夜が更けて、

「粉雪が舞う」冷たい風の中で、

扉の前で、立ちすくむ少女も、

「鍵をかけた」暗い部屋の中で、

涙する動けない少女も、

あの時の、我が姿である。