「涙の一雫」が、揺れている、

朝、

起きがけに流した、

「涙の一雫」が、

まつ毛の端っこに、ひっかかって、

「ゆらゆら揺れてる」

 

涙のわけは、

どれなのか、わからないくらい、

いっぱいあるけど、

「小さなパンドラーの箱」から、

涙の雫が、溢れてる。

 

何十年も前にあった、

大切な人との別離、

別れが悲しいのではなく、

傷つけた言葉を、撤回できずに、

先に、

あの世に消えてしまった、

 

傷ついたまま、

この世を去ったなら、

「取り返しがつかない」事を、

私はしてしまった。

 

「時間が止まったあの世」では、

ドラマは巻き戻せず、

「石のように」

耳は聞こえず、口は聞けず、

抱きしめることもできない

 

どうあれ、

歪んで、育った私を、

いやでも身内、

嫌いでも助けてくれた人には、

「ありがとう!」と、お礼を言い、

「ごめんなさい!」と、謝罪をする。

 

「言いたかった自分」を、

打ち消して来た、長い道のりで、

出会えた人達に、

この世を去る前に、

「ありがとうございました」と、

謙虚に言えれば、悲しみは溶けてゆく。