「叩き壊している」音が聞こえる

「明かり取りの窓」からは、

未だ、

光は入らず、

夜が明けるのを、待っている。

 

「そんなことはお構いなし」の、

テレビのニュースが、

地球時間どおりに、報道されてゆく。

 

冬の朝は、遅く、

冬の夜は、早い。

自然の法則に逆らうように、

「人間のメカニズム」は、

お構いなしに、

せかせかと、動き出す。

 

早めに知らせてくる、

脳のカウント、

「漏れないうちに」トイレタイム、

「忘れないうちに」身だしなみ、

「健康維持の」モーニング、

いつのまにか、

頭に叩き込まれて、生きて来た。

 

「日めくりカレンダー」みたいに、

いちいち、確認しなくても、

身体中の神経が、正確に、

無意識で動き出す。

 

「日本の一日の始まり」も、

「海外の一日の終わり」も、

何処にいても、

「朝」には太陽、

「夜」には月が、

24時間365日を、教えてくれる。

 

「凍える寒さ」冬の次には、

「咲き誇る」春爛漫、

「光あふれる」夏の日差しに、

脳が覚醒されてゆく。

そして、一年の終わりに

「ホワイトクリスマス」が、

夜の帷の中から、聞こえてくる。

 

「何も知らなかった」人間に、

命の大切さを教え、

生き方を教え、

愛する事を教えたのは、

神秘の星、地球かもしれない。

 

失くしたら、

二度と現れない、

この「美しい星」を、

誰かが、

「叩き壊している」音が聞こえる