「まっさら」の、新しい朝が来た。
最近は、
「隣の犬」より、朝が早い。
誰が言ったか、
年寄りの夜明けは、めちゃ早い。
若い頃は、
家族の夕食が、終わってからが、
自分の時間で、ゴソゴソしてると、
「気がつけば朝」という日が、
何度もあった。
毎日の夕飯は、
一人で、チャチャっと、
「一汁一菜」
冬のお風呂は、めんどくさくて、
「週3日」
与えられる時間は、
歳をとっても、「365日24時間」
半分以上を寝て過ごすなんて、
もったいない話である。
一日、
「48時間欲しい!」
「お願いだから休ませて!」と、
走り回っていた時代が、
懐かしくもある
身近な人の名前は、
かろうじて、覚えているが、
起こった出来事が、薄れてゆく。
楽しかった事は脳裏に刻み、
悲しかった事は、忘却しよう。
そんな、「ずる」も、
許してもらえるほどの歳になった。
未だ、
エンディングノートは、白紙のままで、
入れたり出したりの、
中途半端の断捨離に、心が揺らぐ、
キラキラ光る宝石も、
欲しくて買ったブランドのドレスも、
なんだか、
レトロになって、並んでる。
想いも、物も、
古びていく日々の中で、
今日もまた、
「まっさら」の、新しい朝が来た。