「幸せ」は、小さな隙間から

寒くなる程、

「空気の透明感」が、増してゆく、

秋色に染まった樹々が、

鮮やかに、美しい、

 

もはや、

「取り戻せない歳」になってから、

遅ればせながら、

生きてる幸せ感を、感じる様になってきた。

 

朝、

窓を開けたら、

「昨日の空気」と、

「今日の空気」が、入れ替わる

 

「芳しい」コーヒーの香り

「こんがり焼けた」、フランスパン、

「蒸し器の中」の、色とりどりの野菜達

 

同じことの繰り返しが、

新鮮で目新しい、

若い頃、

「ガツガツ、ガブガブ」

味わうことすらなかった、

「朝ごはん」

 

「家族と囲んだ」食卓も、

今は、一人ぼっちで、座ってる。

起きたての不機嫌な顔も、

お腹いっぱいになると、

なんだか優しくなって、

今日の一日が始まる。

 

歳を重ねるごとに、

「食は」細く、

家族が揃って、幸せだった頃の、

幸せ時間が、

走馬灯のように流れて行く、

 

お腹いっぱいにはならなくても、

幸せだった頃の、

溢れる思いが、

「胸いっぱい」

 

人の暮らし中で、

どこでも、いつでも

「幸せ」は、小さな隙間から

入ってくるのである。