私の、実母の母(お祖母さん)の、
一番下の妹の娘は、
私と、同じ後期高齢者であり、
幼い頃から、仲が良い。
関係性は、
「いとこ?」でもなく、
「はとこ?」でもなく、
ようわからん!けど、
全く違う環境の中で、育ち、
その割には、
今も、気のあう仲良しである。
どこか遠いところから、
おばちゃんは、子供を連れて、
芦屋にある私の実家に、
よくたずねてきた。
私の母とも、血がつながり、
タイプ的にもよく似た、
「美しく、気高い女性」の二人であった。
後で、分かった事だが、
彼女の母は、
夫に好きな人ができて、
逃避行したので、
二人の子供を食べさすために、
生命保険会社の、勧誘係になり、
母が、病弱だったので、
いろいろな保険を、父がかけていたらしい、
そんな大人の事情は、
お構いなしの二人は、
子供部屋で、夢の世界にひたっていた。
現代なら、
彼女はアニメブームの頂点にたつほどの、
漫画家になっていたはずである。
瞳の中に、
キラキラとお星様のある、
お金持ちの、お嬢様と、
貧しいけれど、いつも夢みる、
漫画の好きな女の子の、
二人の物語。
病弱だった母が、亡くなり、
いつのまにか、疎遠になり、
再会したのは、
二人が大人に、なってからである。
お習字の先生になるほどの、
腕前と、
母親譲りの数字に強い、特技を生かして、
大きな製造工場の、経理になって
バリバリの、キャリアウーマンに、
なっていた。
「ねえ、昔みたいに、
漫画を描いて!」と頼んだら、
あの頃の、夢みる夢子は、
「70年も経てば、消えるでしょう!」
と、言われてしまった。