第四話「悲しみの川が流れている」

「チーコ教組」が、

時々、行方不明になる。

「鎮座増します神様」ではないので、

仕事でも、プライベートでも、

思いつくと、動き回る

「かなわん!」のである。

 

やっとの思いで、

連絡が取れて、所在を問うと、

「あー、ごめん、ごめん」

六甲アイランドの、

「〇〇さんが、脳腫瘍になったんよ!」

 

で、

大阪の端から、飛んできたと言う。

「あんたには、治せんでしょ!」

と、怒っても、

身内でも無いのに、

鬱陶しがられても、

解決するまで、寄り添い続ける。

 

神様は

困った人には遠慮がない、

だから、苦しんでいる人のそばから

離れないのである。

 

「病気」は、ドクターの役目、

「今後の暮らし」は、本人次第。

高齢で、独居で、不便なアイランド暮らし

福祉の行政との関わりになると、

「専門家の私」が対応する。

 

脳の手術の後遺症を考えれば、

術後は、「介護保険が受け皿」となり、

介護度をつけて、スタンバイしとけば、

ヘルパー利用、施設利用、デイサービス、

なんでもOK!

 

ミイラ取りがミイラになったみたいに、

動き出してしまう私も、

チーコとは、同罪である。

二人合わせて、「150歳」

どう考えても、「無理」

 

「チーコとユーコ」の心の中に、

言葉に出せない、

「悲しみの川が、流れている。」