なかなか、「まともな医者とは、出会えない」
「趣味は何かありますか?」
まだ、二度目の診察時、
女医さんから、
突然、聞かれた。
考えてもいなかった質問で、
少し戸惑い、
何か、落ち度か、不信があったか、
動揺した。
一年前、
循環器系の疾病で、緊急入院、
残された人生までも、考え直すほど、
悩んだ結果、
近所の循環器専門医を、訪ねた。
親の代から、
お世話になって来たお医者様、
家族同様に親しいお医者様、
その病気の専門のお医者様、
主治医は、
誰でもいいというわけではない。
医者も人間、
高齢になって退職されたり、
大病されて、亡くなられたりと、
いつのまにか、
親しく、お世話になった方々が、
いなくなる。
何十年、信頼のあるお医者様に、
「先生、長生きして、看取ってね!」
と、いったら、
「アホかいな、歳、考えてみい!」と、
怒られたが、
この先生なら、命預けてもいいと、
思えるほどの、お医者様であった。
なかなか、
「まともな医者とは、出会えない」
お金がかかった派手な診療所や車、
説明不足の、愛想のない人物、
患者の苦しみや不安が、読み取れない、
などなど、
一方的な文句ではあるが、
やはり、
「お医者様」といえば、
アカデミックな資格でもあり、
命を預けるとなると、緊張する。
今回、
初めての診察であったが、
とても、気遣いのある、
元気な女医先生である。
素人の間違った説明より、
今までの経緯のデーターを、
診てもらったら、
全てを把握してくださり、
「そりゃ、急にこんな怖い病気になったら、
不安になるよね」
先生の、
「第一声!」の言葉に、
この診療所に来て、よかったと、
私は、
心の中で、ホッとしたのである。