母とは「たった10年」の付き合いだけど、

「早朝4時」と、言っていいのか、

「深夜4時」と、言っていいのか、

最近の私の起床時間である。

 

「寝ぼけまなこ」の中で、

手探りで、テレビをつけると、

物販の宣伝を、朝からしている

録画ではあるが、性根逞しい。

 

そのうち、

朝一のニュースが、始まるが、

必ず、

「一瞬で目が覚める様」な、

事件事故が報道される。

 

今日も、

イギリスのキャサリン妃の、

「ガンの公表」がされていた。

何だが、

ざわめいていたので、心配していた事が、

当たってしまったらようだ。

 

詳細はわからないが、

そのうち、事実は見えてくるだろう。

残念ながら、

キャサリン妃とは、縁もゆかりもないが、

一人の母親としては、思いは同じ。

 

私の母も、40歳の頃

「消化器のガン」が見つかり、

4人の子供達の日常は、

「非日常」に変わっていった。

 

その日から、

心配をかけまいとする、

母は、

「変わらぬ笑顔」を絶やさなかったし、

子ども達も、

「お互いに助け合って」、

苦しい日々を乗り越えたのである。

 

まだ、あの時代は、

医療の進歩は遅く、

ガンは、「不治の病」であった。

 

入退院を、繰り返していくうちに、

「別人」の様になっていく、

母のやつれていく姿を、

子供達は、気づいていたが、

誰一人、

「お母ちゃん、大丈夫?」などの言葉を、

発する事はなかった。

 

現代では、

医学や化学が、

目覚ましく、進歩して、

「ガンは完治する病気」になった。

人間の寿命も伸びて、

死ぬ事すら、簡単ではなくなった。

 

この世に生まれて、

母と呼べる人とは、

「たったの10年」の付き合いだけど、

出逢えた事が、嬉しい!

 

苦しい事、悲しい事、

そして、寂しかったけれど、

その度に、

「笑顔のお母さん」が、

勇気づけてくれた事を、思い出した。

 

窓の外は、

すっかり明るくなって、

「春の風」が、優しく吹いていたのである。