妖鬼妃。

今も、ずっと変わらぬ夢がある。
高齢になった女性ばかりで、シェアハウスを、作りたかった。
ホームの名前は、楊貴妃ならぬ妖鬼妃ハウス。
字のごとくである。
10年前、知り合いに呼びかけた時は、
「絶対、歳取ったら、参加したーい!」
もう、歳とってるちゅうねん?
興味はあるが、まだ早いという事らしい。
最近、またその話題になったが、
「家売ってまではと、息子がうるさいんよ」と、言い訳になる。
10年なんて矢のごとく。
最後に与えられた時間を、皆んなでデザインして、素敵な暮らしをするイメージができないらしい。
今まで通りの生活スタイルに対する、執着や依存もあり、なかなか勇気を持って、実施するには、ほど遠い。
若い人たちに迷惑をかけず、元気な人が病む人を看取り、昔話に花が咲いても、遠慮はいらない。
怖い嫁にも気遣うこともなく、ありがたやありがたや、お互い様お互い様と言い合って、イケメンの事務長一人雇って、余生を過ごす。
この指とーまれ!と、今も希望は無くしてはいないが、やっぱり私だけの夢で終わるかもしれない。