「親が死んだら、もう、親戚とは付き合わへんから!」
周りでよく聞く話である。
若い人が聞いたら、びっくりの過激な話。
こんな言葉が出る原因は、ほとんどが、
「遺産相続」を巡る子供達の揉め事である。
親が元気な時は、盆暮れ親戚一同が集まり、
なんとなく、つつがなく表面上は付き合って来たが、親が高齢になり、死が見え隠れしだす頃から、ザワザワとしだすのである。
「あの嫁は何もしなかった!」
「姉さんの家は、親に建ててもらったんよ!」
「長男夫婦が、親のお金を独り占め!」
言い出したらきりがないほど、お金にまつわるいい事は、止まらない。
お骨を前に、押さえていた感情が爆発する。
もはや、あの世に行った人に罪は無いが、責任がないわけでは無い。
聞けば、親の兄弟も裁判沙汰になったと言う。
資産があってもなくても、その時が来たら、
「出るとこに出るわ!」
と、身構えているのである。
揉めないところは、家族の中に、たった一人、
「私は、何もいりませんよ」
と、潔く、身を引く人がいる場合である。
そんな人を前に、お金の亡者みたいになってる自分達が、少しは、恥ずかしくなるからである。
しかし、この負の連鎖は、永遠に継続する。