止める勇気

「今日は、新入社員の歓迎会でも行こうか!」

と、飲兵衛の上司が、みんなに声をかける。

社員の心に一瞬の迷いが生じる。

 

その時、一人の社員が、

「ダメですよ!まだ、三密は避けるよう、

お達しが出ていますから!」

勇気ある言葉を発した。

 

一瞬の不具合な空気が流れる。

バツの悪い上司は、

「そやな、まだあかんなー。

ほんま、飲みにいきたいけどなー」

と、しぶしぶ引き下がる。

 

こんな風に、流れを止めれる人は、数少ない。

ましてや、組織の中で、上司に抗う事は、

サラリーマンにとっては、致命的である。

 

たった一人でも、こんな人はいるのです。

普段は物言わず、粛々と仕事をこなし、

目立たず、出世の道から外れていそうな人。

 

会社の中だけではなく、

学校の中でも、

友人同士の中でも、

家族の中でも、

明らかにダメな事を、止めれる勇気ある人。

 

嫌われても、村八分にされても、

その人の言葉で、命が救われる事もある。

 

「そうそう、行こう!」

というのは簡単ではある。

「やめましょう」と、見極められる人に、

ならねばならない。