「人から受けた傷」に治療薬はない

生きていくのさえ、

苦しくなるほど、

「人から」

受けた傷は、深い。

 

その傷が、

「幼い時」であればあるほど、

長く、重く、

自分の一生に、関わってくる。

 

外から、「見えるような傷」は、

医療や、科学の力で、

消せる場合もあるが、

 

心の、

奥深くに、誰にも言えずに、

「隠さなければならない傷」は、

空気にもさらされず、

治療薬を、塗るわけにも行かず、

心も身体も蝕んでいく。

 

大人になっても、

「傷つけた同じ人」

「よく似た同じ場面」に、

遭遇すると、フラッシュバックが起こり、

正常な対応ができなくなる。

 

「抗えば抗うほど」に、

苦しくて、

「傷つけた螺旋の中」に、身を委ねてゆく。

誰かに傷つけられたことが、

身の内に染み渡り、

同じように、誰かに向かってゆく。

 

人は言う、

「もう、昔のこと」

「もう、終わったこと」

「大丈夫!」と、無責任な言葉を吐く。

 

 

幼なかった私が、

ある大人に騙されて、

「飲まされた毒を、のんでみますか?」

大好きな人に、言われたら、

あなたは、断ることができますか?