自分の中の、「美しいもの」

歳を経て、

身体の方が不自由になり、

外出も減ると、

ソファに、寝転びながら、

頭だけが、よく動く。

 

「過去の思い出」を辿ったり、

「まだ見ぬ未来」を感じたり、

「余計なこと」も、思い浮かぶ

 

「自分」の中で、

容姿でも、思考でも、

何でもいいから、

「美しいもの」を、

一つだけ、答えよと言われたら?

 

頭のてっぺんから、

足の指の先まで、

何度も、細かく見直したが、

残念ながら見つからない。

 

若い頃は、

人に煽てられて、

いい気になっていた事も、

なきにしもあらずであったが、

今となっては、

「お義理」と、「フェイク」だったと、

今更気づく。

 

「容姿も、性格も、脳力」も、

どれをとっても、

まともなものも、

自慢できるものは無し。

 

若い頃は、

友人同士で、集まれば、

「神様が、

たった一つだけ、叶えてくれたら、

どれにする?」

 

一つ目、絶世の美女

二つ目、天才的な頭脳

三つ目、世界的な富裕層、

 

「うーん!」

アホみたいに、みんな真剣に悩む、

それぞれ、みんなは、答えを出すが、

いつも、私だけが、答えが出ない!

 

一つだけ、良くても、

満足できない、私がいる。

どれも、そこそこで、

「凡人で、我慢するわ」というと、

友人たちが、慰めてくれるのである、

 

「そこが、あなたの1番の所やん!」

持つべきものは、

優しい友人達であり、

「美学とは」

相手と織りなしてゆくものと、

この歳になって、わかるものである。