冷たい風の中で温かな一杯のコーヒーを。

最近、テレビが寒い寒いと追い討ちをかけるように言うので、外出の度に着る物が増えていく。冬は寒いもの!今更何よと思いながらも、自分の歳を鑑みれば、血圧が上がるのも、関節が痛むのも嫌なので、裏が起毛のコートにパンツで完全武装で飛び出せば、確かに寒い!冬の小川は決してサラサラではないし、春には花びらが舞い散る桜も枯れ果てて、うら寂しい。なのに気持ちは軽く、間も無く、裏切らない春は必ずやって来るから。焙煎コーヒーの香りに誘われて、小さなカフェのドアを開ける。少し高めのカウンター越しに、笑顔のお嬢さんが「いらっしゃいませー」と可愛い声で出迎えてくれた。ここのコーヒーには必ず黒砂糖とハチミツが付いて来るが、何故だかようわからん?お客さんが入ってこず、時間が止まった空間の中で、一枚のワンちゃんの写真をきっかけにお店のお嬢さんと話が弾み、最後は自己開示になり、人生相談みたいになりました。若い人とのコミュニケーションは本当に楽しい。私の若い時の過去と彼女の未来が交錯する。一年で一番冷たい日に、温かなコーヒーと小さな春に出会いました。