辛さを共有したい。

元々、性格がひねくれていたのかわからないが、好きになる人の条件が、最近になって、見えて来た。
若い頃から、遊んで楽しみ、やって喜びには、あまり心が動かず、「楽しかったね!僕ならきっと、君を幸せに出来るよ」と言われても、
「誰が~?」「何が~?」と嬉しがらない私がいた。
高校生の頃、ボーイフレンドと散歩してたら、山道に迷い込み、帰り道がわからなくなったことがあった。
今では、ほとんどが住宅街になっているが、一昔前は、近くにも、開拓されない土地がたくさんあった。
目印もなく、陽も暮れて、デートどころではなくなり、不安と恐怖の私の手を引いて、冷静に行動し、無事に家にたどり着いた想い出がある。
次の日、漆にかぶれて、真っ赤になった彼の顔と手足を見て、胸がキュンとなったのを、今でも忘れない。
昔から、意味もないプレゼントも、食事の誘いも、およそ女の子が喜びそうな事には、あまり興味がなかったかも知れない。
辛いことを一緒に乗り越えられる人を、探していたような気がする。
相手の悲しみや苦しみを、共有できない人はごめん!と若い頃から思っていたので、そんな理想的な男性とはなかなか巡り会えず、残念な結果にはなっている。