ついてない人

気の毒に、何をやってもついてない人がいる。その人と一緒に行動すると、必ず何か起こる。
本人には、悪気はなく、むしろ良かれと思って計画し、自信を持って推し進めようとすると、アクシデントが起こったり、邪魔が入る。
真面目なので、頑張れば頑張るほど、ドツボにはまって行く。
こんな人が、最後は冤罪にかけられて死刑になるんじゃないのかとさえ、思ってしまうほど、心配になる。
本人がついてない人間であることは、物心ついた頃から経験済み、またそんな人生の結果を踏まえて生きているので、出かけた途端、土砂降り、大雪、行き止まり。
「すみません」と、誰のせいでもないのに、真顔で謝る。
確かに、他の人といる時には起こらないようなことが、勃発する。
「嗚~呼、またかいな」と、思わず言いそうにはなるが、私はぐっとこらえて、慰めはしないが、何事もなかったが如く、最後まで付き合う事にする。
多分、こんな人は人とタイミングが合わず、
うっとおしがられたり、バカにされたり、意地悪されたり、騙されたり、ろくなことがなかったので、ますますついてない事になったのだと思う。
人の不幸せの原因にもならされてしまう。
悟りでも開いたが如く、運命を受け入れてしまうので、悪魔も因縁もますますいい気になって、寄ってくる。
最初の頃は、私も、危険だと思い、叱咤激励したが、言うこと聞かず。
しかし、考えてみれば、こんな世の中で、こんな個性の人の存在も大切と思えたので、
「何が起こっても、貴方のせいではありません。そんな大物では無いのでね」と、変な励ましをして、いまも危険を承知で付き合っている。