訪問料理人

家庭の中の家事にはどんなものがあるか?
人間の世話は別として、
まず、掃除、洗濯、これらはほぼ機械がやる。
最近は、寝てる間に勝手に掃除してくれる掃除機まで、普及している。
洗濯は乾燥までするので、干す手間なし。
後は、食事、つまりは調理である。
しかし、これも、ファミリーで食べに行けるレストランも出来たり、その店から居ながらにして、デリバリーに、宅配弁当。
コンビニ、スーパーにはありとあらゆるお惣菜や冷凍食品。
こう考えると、いくらでも手抜きはできるし、ずぼらにはなれる。
日本という国は世界でも珍しいほど、機械任せが好きである。
自動ドア、エレベーター、自動散水、ご丁寧に、電化製品、全てボイス付き。
自宅にまで設置する事が可能である。
ヨーロッパに行くと、高級ホテルやレストランなどは、とくに手動が多い。
勿論、何百年の歴史を守るためもあるが、重いドアを開けるだけのお仕事で、生計を立てている人のためにも、近代化されずにある。
どれほど、便利で楽チンになっても、人が作るお料理に勝るものはない。
狂気のごとく、行きまくり食べまくり、食欲は本能だし、命を守る為には食べない訳にはいかない。
高齢者が自立出来なくなると、食事介助、排泄介助、入浴介助の支援である。
人間は食べたら出るし、出たら汚れるので、清潔にしなければ、二次感染を起こす。
家族のいない、独居老人には、高齢者用の宅配弁当が、強い味方であり、命を繋ぐ。
若い頃から、美味しいものを食べ続けてきた人にとっては、決して満足できる味でも、メニューでもない。
ある日、突然、食べることを止めるのである。
包丁の軽やかな音で目が覚めて、人が作った温かな食事を味わってきた人たちは、毎日、同じお弁当箱に入った冷たい食事に、ヘキヘキするのである。
命を繋ぐ事ができても、心を繋ぐ事ができなくなる。
そして、箸を置くのです。
そんな高齢者のために、お食事を作ってくれる人も、一緒に宅配してもらえる訪問料理人の会社を、設立するのもいいかなと、考えているのです。
まだまだ、使いもんになる元気な婆さんは、周りにいますので、募集中である。