ヴァルネラビィリティ(心の弱さ)

私のところに相談に来る人は、ほとんどが女性である。
男性は、仕事の合間に本心が見え隠れしながら
悩みが垣間みえてくる。
女性は感極まって、泣いたり、怒ったりしながら、こちらが受け止め、理解を示すと、ホッとして帰って行く。
男性は、抱え込んだ問題に対して、真摯に向き合い、解決策に納得がいくまでは、議論が終わらない。
日本には、まだ、男尊女卑の傾向が残っているように見えるが、最近はその逆も然り。
時代は遡り、
「男たるもの」とか、
「女々しい男」とか、
「弱音を吐いてはならぬ」など、
強い男性仕様の言葉がまかり通り、
男がくしゃみをして、風邪を引いただけで、
「精神が、たるんどる!」と上から雷が鳴る。
寒けりゃ風邪くらいひきまっさと、横から口を出してしまいそうになる。
弱い男性にとっては、こんな社会は生きづらく、少しでも謙虚な態度をすると、
「押しの弱い男」にされ、
誰かに相談すると「弱音を吐いた男」になる。
ヴァルネラビィリティにおいては、男も女も、さほど違いはない。
私などは、どちらかというと、女性の強さを持つ男性に近い。
仕事柄、感情移入はご法度で、課題を抽出し、
効率的、論理的に遂行して行くタイプである。
強さ、弱さは人間性には関係なく、
むしろ、これからの時代は、「そうなんですよ」とひらきなおり、
目の前で、鎧兜を脱ぎ捨てて、カジュアルな男性のイメージで行く方が、
素敵!かもしれない。
ちょんまげとふんどしは、もはや男性の魅力には、程遠い話です。