高齢者の子供返り。

最近、高齢者の人達が、狂気の沙汰である。
認知症ではなく、完全自立の人達である。
こんな楽しい世の中から、まだまだ消えたくない症候群が広がっている。
茶店、レストラン、イオンモール、百貨店、アウトレット、はては、USJやディズニーランドにいたるまで、高齢者たちが、繰り出している。
未曾有の少子高齢化による社会現象が現実的になって来ている。
地方の小さなホテルのラウンジは、デイサービス状態で、若い人たちの姿はほとんど見ない。
若い人達も、それなりにどこかで集まってはいるのだろうが、高齢者に居場所を譲らざるを得なかったのだろうか?
中流階級の高齢者は、一線を退いた人も、残念ながら伴侶に先立たれた人も、貯蓄に上乗せするような年金暮らしで、今更、衣食住にもかけるお金の使い道もなく、子供や孫たちには先渡し、生前贈与する人も少なくはない。
それでも、今今の時間とお金はどう使うのかを、思案している。
そんな高齢者をゲットするために、あらゆる企業が、投資、イベント、有料高齢者住宅を押し進め、おかしな世の中になっている。
自分の人生を見つめ直す静かな老後どころか、
電話は鳴るわ、チラシは入るわで、落ち着いている暇はない。
一泊2日のバス旅行から帰って来た途端に、次なる予定のお誘いが回ってくる。
相手変われど主変わらず。
まだ、親が残っている人もいて、思わず、
「お母さん、ほっといても大丈夫?」
なぞ、言おうものなら、
「 そんなん気にしてたら、こっちが先に逝くわ。残された時間好きにさせてもらうわ!」
と、大笑い。
この歳になっても元気で、まだまだ、足腰大丈夫な間に、やりたいことはいっぱいあるのと、
言う高齢者に会うと、なんだか、変な子供に戻ってしまったようで、心配になる。
暗い話も、不安な話も、深い話も聞きたくないと、耳を塞いで、都合の悪いことに、蓋をしても、間も無く、確実に、自分たちに起こってくる現実を甘受して、静かにその時を乗り越えようと言う話を、一緒にできる人が少なくなったのは事実である。