介護なんか、興味ない

「そうやろねぇー」
私が40代なら、全く、興味ないと思う。
いくら、テレビで報道されても、関係ない話。
もし、少しでも興味を持つなら、仕事として成り立つか?ぐらいである。
老後、死、命、なんなんそれってと言うくらい、身近な話ではない。
幼い頃から、家族に障害者や寝たきりの高齢者がいて、生活の中に密着度が高いなら、少しは理解できるであろう。
そこから、医者になろう、看護師になろうとかの発想は生まれるが、「介護員になろう」は、滅多にない。
若い人達からすれば、それ程遠い世界である。
さもありなん!
私とて、福祉に携わるきっかけは、40歳を越えて、勤めていたアパレルの会社が縮小された事もあり、自分の時間が自由なシフト制の仕事はないかと言う単純な動機であった。
たまたま、医療関係の家族もいて、遠からずの世界であればこそ、今に至ったのである。
息子曰く、
「貴女が、テレビに出てる尾木ママになるなら、ちょっとは若い人が興味を持つかも」
と、言われた。
福祉の資格を取得さす側の人間としては、そう言われたら、変に納得。
老後、病気、障がいと言う世界は、重くて苦しくて悲しいイメージがある。
日本の少子高齢化の現実にぶちあたり、今更、外国人労働者を利用したり、介護の綺麗事を並べたとて、若い人たちの夢や希望の中には皆無である。
介護の世界に、未だ嘗て、成功者と言われる人は、一人もいない。
若い人達から見て、へぇーそうなんや!やって見たいなー!と、憧れる存在は生まれてはいない。
人出がないから、やってよ!では、誰も来ないはずである。
と、考えれば、福祉の業界はリクルートに乗るような就職ではなく、
「私にでも、誰かをサポートできるかも」
と、思う気持ちからしか、始まらない仕事である。
介護尾木ママになって、テレビのコメンテーターには、もはや遅しである。