いじめは100歳まで健在

昔のいじめっ子は、力持ちで、やんちゃな子であった。
教室の花瓶を壊したとか、前の席の女の子の背中に、毛虫を入れたとか、今なら、笑えるいじめである。
最近のいじめは、陰湿でかつ巧妙である。
だから、頭が良くないと、見事なまでのいじめは計画できないのである。
なぜなら、最後は、自分の手を汚さず、
本人自ら、命を絶つまところまで追い詰める。
間接殺人である。
いじめられてる方は、初めは、全く気づかないことが多い。
自分の中に、人に言われるようなことはないし、人を陥れる要素がないからである。
事が起こり、事件が起こるように、なった時には、蜘蛛の糸のように、がんじがらめになっている。
そして、被害者であったはずが、いつの間にか、生きてる存在すら、否定される加害者になっているからである。
いじめの導入門は、まず、つぶやきから始まる。
「〇〇さんって、ちょっと変わってない?」
と、こんな感じである。
あちこちに、呼びかけ、賛同を促す。
次なる手は、自分は一歩引きながら、善人を装う。
「〇〇さんに、こんな風に言われたけど、
私は、いいねん・・・」
もう、この辺りになると、周りの同情も出来上がり、変な正義感の強いアホな子が、
「大丈夫!私が言ったげる。皆んなで、仕返ししょう!」と、リーダーが誕生する。
最初に囁いた人は誰だったのか?
火事が起こる火種をつけたのは誰だったのか?
子供は、いずれは、ばれるが、
社会の中で、地位、名誉、お金がある人だったら、全く、見えては来ないし、むしろ、周りが分かった上で、首謀者を消して行く。
「私は、もう歳やから、何を言われても、何にもできないの。我慢するしかない」
と、つぶやく。
昔取った杵柄は、衰えてはいない。
高齢による、脳の機能低下があり、人の名前や、日にちを間違えたり、物忘れがあったりする
が、心の中に潜む、人間の煩悩は変わらない。
ありとあらゆる場所で、死ぬまで、人々の争いが、絶えない。
渦のように波紋が広がって行く、螺旋の中に、
まきこまれないように、常に、中心にある真なるものを、見つめて行かねばならない。