おっちゃんの救世主ユニクロ

チョンマゲに褌の歴史を経て、よくぞここまで来たものだと感心する。
どの時代にも、振り返ってしまうくらいの、素敵なファッションの女性は多くいた。
ところが、男性においては若者もおっちゃんも、ファッションには程遠い出で立ち。
一昔前、元旦、初詣のデートで、こちらはとびきりの着物姿で待っていたら、大学の学生服でお迎えというくだりであった。
欧米には、長い歴史の中で、確立されたTPOに基づくファッションが根付いており、決して女性とのバランスが、チグハグにはならないのである。
大きく遅れはあったが、経済大国になり、国際社会にもなった日本も、やっとこさ追いついてはきた。
私達が学生の頃、男性の若者は「アイビーファッション」が爆発的に流行り、何とか、衣料品と呼ばれるものから、デザイン的なファッションに変わった。
それ以前の男性たちには、衣服は着る物であり、装う物という概念はなかったのである。
現代においては、男性のファッションセンスは、経済力、権力の象徴も取り入れられて、お金をかければ、「そこそこ、ほぼほぼ」である。
何とか高価なものを身につけておけば、七難隠すことはできるが、ブランド同士が喧嘩して、
総額100万円を超えていても、品性を疑ってしまうほど下品に仕上がっている男性もいる。
一般人には、救世主の様に現れたのが、
ユニクロ」ブランドである。
会社に背広、休日の外出にも、ダブダブズボンに、ヨレヨレ上着、もしくはゴルフウェアのポロシャツ姿のおっちゃん達が、画期的に変わったのである。
何だか、小綺麗になって、ましに見える魔法のブランド。
おかげで、若い女性達にも同席を許され、中年のおっちゃんでも相手にされる、良き時代にはなった。
しかし、驕るなかれ!
このスタンダードなユニクロを基本として、
自分の個性を表現できるファッションを、
創り上げて行ってほしいと願っている。